こんばんは。
カウンセラーの幸村です。
近年、「生きづらさ」という言葉をよく耳にします。
生まれ持っての気質というものもありますが、
その人の感じ方や生きづらさの多くは
子供時代の体験や、親の関わり方が
大きく影響します。
「子供は放っておいても勝手に育つ」
と言う人もいますが、それは身体の話であり、
自分自身を幸せにする能力は
放っておいたら適切に育ちません。
生きづらさを抱える人の多くは
発達段階で愛着が崩壊し、
トラウマ体験をしてきた可能性があります。
私に関しても、カウンセラーになり、
心理学を勉強するようになって初めて
自分が児童虐待の被害者であったことを知りました。
しかしこれは、勉強したから分かったわけで、
普通に生きていたら、気が付かなかったことです。
なぜ自覚できないのか?
それはトラウマや虐待のイメージが
暴力やネグレクトといった
典型的なものに閉じているからでしょう。
しかし、親が子供をちゃんと大事にしているつもりでも、
子供はトラウマ体験をしていることはあるんです。
赤ちゃんの時に愛着を十分に与えない、
などもありますが、
母親がうつ病だったり、なんらかの調整不全に陥っていた場合、
赤ちゃんは本能的にお母さんを喜ばせることを優先して、
自分の欲求を引っ込めてしまうことがあり、
これが最も早期のトラウマの1つです。
その後も、成長の段階に合わせて
子供の欲求が満たされない、
子供としての振る舞いが許されない、
など、さまざまなケースがあります。
ただ、子供の場合、知識や情緒が発達していないため
親がおかしいと判断できず、
自分が悪い、自分がおかしいのだ、と思い込んでしまいます。
そして、その環境で苦しまずに生きていくために、
本当の自分を歪めて適応する、という選択をします。
(これをサバイバルスタイルと言います)
それは、苦痛な体験を何とか乗り越えるために、
人生早期に私たちを助けてくれたものです。
しかし、その生き抜くための戦略を
抱えたまま大人になると、
生きづらさや、他人との関わりを困難にする原因になるのです。
そういった問題が、大人になってから表面化しても、
親の関わり方のせいだ、とはならないですよね。
そして今さら親を恨んでも、何かが変わるわけではありません。
当カウンセリングルームでは
こうした生きづらさについても
過去や育ちの家族、現在起こっている問題について
お話をうかがい、
癒しのサイクルにつなげていくお手伝いをします。
トラウマとは、
その人の生命や存在に強い衝撃を与えるような体験
を指し、そんな目には遭ったことがない
と思う方がほとんどでしょう。
自分の世代的に同じような親が多く、
周りも皆そんな感じだった、とか
兄弟も同じ扱いを受けて育ったけど平気そう、
といった状況が、傷つきへの気付きを曇らせることもあります。
しかし、子供とは無力な存在で、親の対応次第では
常に生命や存在の危機にさらされている、と言えます。
そのため、ちょっとした冷たい対応や、
強い求めに対する拒否などは、
子供にとって十分トラウマ体験となり得るもので、
それが今の生きづらさにつながっている可能性は
十分にあるのです。
起こった事象、言われた言葉を考えると、
トラウマとはほど遠い、
と思うようなことでも、
心に引っ掛かりが少しでもあれば、
ご相談いただければと思います。
次回以降、この生きづらさのパターンと
具体例についてお話していきますので、
生きづらさを感じている方は
ぜひ読んでみてくださいね。
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